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2018.06.13

空気に触れなければ保存は永続的 発電持続は乾電池の2.5倍 水数滴で自ら発電する“1.5次電池” 防災グッズ・備蓄に最適 マグネシウム空気電池「エネルシード」2019年に国内月産10万個の量産体制へ

 次世代電池の開発・製造・販売を行う、株式会社ドリームエンジン(本社:東京都千代田区、代表取締役:田所和弘)は、自社開発したマグネシウム空気電池『enerseed®(エネルシード®)』の量産を、2018年9月下旬から開始し、年内は月1万個、2019年は月10万個以上の生産を国内で行います。
 今後は量産と並行して大手メーカーと共に様々な商品開発を行い、複数の大手総合商社と提携して国内外への販売を進めていく予定です。海外に関しては、電力供給が不安定な上、水害が多い東南アジア地域への進出を検討しています。

水との親和性が高い“防災グッズ”の電力に  マグネシウム空気電池『enerseed®(エネルシード®)』は、塩を使わず、水分を含む数滴の液体(風呂水やジュース、コーヒーなど)のみで自ら発電をはじめます。重さ12g、板ガムを3枚重ねたくらいの大きさは世界最小最軽量(※)であり、マンガン・アルカリ乾電池と比べて未開封状態の保管推奨期間は10年(真空状態であれば永続的)と長期保存が可能です。
 それらの特徴から、防災用の備蓄電池や懐中電灯、ランタン・ラジオ等の災害時に使用する商品に最適な電力になります。ライフジャケットや雨具など水に接する商品は、LED電球を装着し『enerseed®(エネルシード®)』を電力にすることで、水に濡れると同時に光る仕様にできます。
マグネシウム空気電池は、従来電池が苦手としていた“水”を活用し発電するため、既存商品の可能性が広がることはもちろん、新しい着眼点から新商品の開発も考えられます。

<防災グッズ商品アイデア>

 (上左)海や川に着水すると発光するライフジャケット
 (上右)雨や少量の水で発電する非常信号灯
 (下) 雨で発光するレインコートや長靴

 また、リチウム電池やマンガン・アルカリ電池は、海や川などに水没・投棄すると自然を汚す原因になりますが、マグネシウムは元々海水に大量に含まれるため、万が一海や川に落ちても人体や環境への安全性が高い電池です。
『enerseed®』は使用後、一般不燃ごみとして廃棄することができます。

安定した電力供給を実現した特許技術「HYBRID ONECELL(ハイブリッド1セル)」
 これまでのマグネシウム空気電池は「発電に塩が必要」「発電開始直後は電力が弱く不安定」「商品埋め込み型が多いため量産が困難」「躯体が大きく高価」「内部電気抵抗が大きく発熱する」「熱膨張しやすい」などの課題点がありました。
 マグネシウム空気電池『enerseed®(エネルシード®)』は、技術特許を2018年1月21日、商標登録を2018年2月9日に取得しています。改良を重ねて取得した複数の特許技術を駆使した「HYBRID ONECELL(ハイブリッドセル)」技術により、内部電気抵抗が大幅に下がったため、電力の出力変動が安定しました。これにより、継続的に1.1V、20mAの安定した電力供給を実現しています。また、エネルギーロスを劇的にカットしたため、ほぼ発熱せず熱膨張が起こりません。加えて、発電効率が上がり、マンガン・アルカリ乾電池と比べて発電持続時間が約2.5倍に増加しています。
 当製品は、従来のマグネシウム空気電池の常識を覆すだけなく、一次電池でも二次電池でもない、まさに1.5次電池と言える、革新的な電池です。

 「電池」として製品化した『enerseed®(エネルシード®)』は、大量生産が可能となり、比較的安価での供給を実現しました。量産が実現することで防災備蓄だけでなく、幅広い分野の電力確保に使用できる電池になります。今後は海難・山岳救助等で使用する製品やアウトドア、玩具などのホビー用品など、商品メーカーや大手商社と共に開発・販売を進めていきます。